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中国材料 輸出管理タイムライン総まとめ(2023~2026)

公開日 執筆 GJ Park

中国は2023年8月のガリウム・ゲルマニウムを皮切りに、黒鉛、アンチモン、タングステン、そしてスカンジウムを含む中重希土類まで、戦略材料に対する輸出管理を段階的に拡大してきました。本稿は2026年6月時点で有効な管理措置を年表で整理し、品目別の現状と調達実務への示唆を併せて提供します。要点は、大半の措置が「禁輸(エンバーゴ)」ではなく「案件ごとの許可制」であり、品目ごとに許可の可能性と代替供給先が異なるという点です。

なぜタイムラインが必要か

中国の輸出管理は一度の発表で終わらず、新規品目の追加・域外適用の強化・部分的な猶予が繰り返される構造です。調達担当者の立場では、「自社が使う品目は今、管理対象か」「許可で解けるか」「いつまで有効か」を時点ごとに再確認する必要があります。管理リストは商務部(MOFCOM)公告と各国間の合意に応じて更新され続けるため、調達契約を設計する前に最新状況の確認が先行しなければなりません。

輸出管理年表(2023~2026)

時点 対象品目 措置の性格 2026.6時点の状態
2023.8 ガリウム(Ga)・ゲルマニウム(Ge)関連品目 案件ごと輸出許可を義務化 有効
2023.12 黒鉛(高純度・球状黒鉛等) 案件ごと輸出許可を義務化 有効
2024 アンチモン(Sb)、超硬質材料(合成ダイヤモンド等) 案件ごと輸出許可を義務化 有効
2025.2 タングステン(W)等5種 案件ごと輸出許可を義務化 有効
2025.4.4 スカンジウム(Sc)等 中重希土類7種(金属・合金・酸化物・化合物・混合物) 商務部公告第18号、案件ごと許可制 有効(猶予対象外)
2025.10 5種追加+域外適用強化 管理範囲の拡大 2025.11の米中合意で10月分のみ、延長されない限り2026.11.10まで猶予

年表で特に注意すべき点は、2025年10月と11月の関係です。2025年10月に管理品目が5種追加され、域外適用(中国産含有率が一定比率以上の海外生産品にも管理を適用)が強化されましたが、2025年11月の米中合意により10月に追加された措置分のみが1年間、すなわち猶予が延長されない限り2026年11月10日まで猶予されました。その日付を越えて続く契約を設計する場合は、延長が確認されるまで10月分の品目を管理対象として扱うべきです。2025年4月の公告第18号で管理されたスカンジウム等7種は、この猶予対象に含まれず、2026年6月現在もそのまま有効です。

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品目別状況の要約

スカンジウムおよび中重希土類(2025.4 公告第18号)

スカンジウムを含む7種は、金属・合金・酸化物・化合物・混合物のすべての形態が、含有率の下限なく管理対象であり、輸出時に案件ごとにMOFCOM許可を取得しなければなりません。MOFCOMが公表している方針は軍事最終用途に対する不許可です。軍事転用の経路が想定されるデュアルユース用途は最も厳しい審査を受け、明確に民生である用途は最終需要家・最終用途の書類に基づいて選別的に許可されます。酸化スカンジウム(Sc₂O₃)の市況は管理前後で約3倍に開きました。lanthanides.ioの価格データは管理前を約1,200ドル/kg、管理後を3,500~4,370ドル/kgとしていますが、等級や純度の基準は示されていません。持続的なシグナルは絶対水準ではなくその倍率です。数件の取引が価格を決めるほど薄い市場であり、管理の発効後、輸出価格は中国国内価格と乖離しました。詳細な影響はスカンジウム輸出管理とSOFC供給網および年産40トンだけの極希少金属、スカンジウムで取り上げます。

タングステン(2025.2)

タングステン等5種は2025年2月に管理リストに編入され、2026年6月現在も有効です。超硬合金・工具鋼関連の供給網に影響を与える品目群です。

アンチモン・超硬質材料(2024)

アンチモンと合成ダイヤモンド等の超硬質材料は、2024年に管理対象に含まれました。研磨・切削・難燃材料の供給網とつながります。

ガリウム・ゲルマニウム・黒鉛(2023)

最も早く管理された品目群で、化合物半導体(ガリウム)・光学/光ファイバー(ゲルマニウム)・二次電池負極材(黒鉛)などにまたがります。2026年6月現在、すべて有効です。

管理対象外品目の例:炭化ケイ素(SiC)

研磨材用・製鋼用等級の炭化ケイ素粉末(HS 2849.20)は、2026年6月時点で中国の輸出管理対象ではなく、韓国の輸入規制(反ダンピング等)もありません。より高付加価値の形態は別の話です。SiC繊維、ウィスカー、セラミックス基複合材向けの連続繊維はデュアルユースの管理リストに挙がっており、半導体級の基板材料は現に政策の対象です。ですから「セラミックス材料はすべて問題ない」といった一般化は危険であり、HSコードと品目仕様の単位で個別に確認すべきです。その仕様書は、冶金用・耐火物用から黒色研磨材、高純度セラミック用を経て結晶成長用の4N+までの等級帯を指定し、さらに鉄の上限をどう読むかまで明記すべきです。Fe₂O₃の数値だけでは、鉄を元素として測ったのか酸化物として測ったのかが分からないからです。当社のグリーンSiCマイクロパウダーのページは、これを試験項目の一覧に載せ、鉄は元素として報告し、Fe₂O₃換算値を併記しています。SiC市場の構造と価格帯は2026年グローバルSiC市場展望で整理します。

調達実務の3段階チェック

輸出管理環境で調達リスクを管理する基本の順序は次のとおりです。

  1. 管理品目該当の確認:使用中の原料・中間材・完成品が最新の管理リストに該当するかを、HSコードと品目仕様の単位で確認します。完成品が対象外でも、その原料(例:ScSZ完成品のスカンジウム)が管理対象でありうるためです。
  2. 許可トラックの設計:管理対象であれば、民生用途の立証書類を準備します。MOFCOMは中国の輸出者が提出した申請を契約単位で審査し、公表された規模別の順番待ち制度はありません。ただし観察された初期のパターンは、許可申請に割ける余力が限られた輸出者がその余力を最も大きな顧客に先に使うというもので、その結果、少量スポット契約が最も脆弱になります。
  3. 非中国代替先の並行:許可の遅延・拒否リスクに備え、中国外の供給先を並行確保します。ただしそれらの国も自国の輸出管理制度を運用しているため、その側でも品目分類が必要です。具体的な調達戦略は輸出管理時代の調達戦略で詳しく取り上げます。

よくあるご質問

中国の輸出管理は即、輸入禁止を意味しますか?

いいえ。列挙した措置の大半は「禁輸」ではなく「案件ごとの許可制」です。民生用途であることを立証すれば承認されうるものです。MOFCOMが公表している方針は軍事最終用途に対する不許可であり、軍事転用の経路が想定されるデュアルユース用途は最も厳しい審査を受けます。ただし許可審査には時間がかかり、少量契約は後回しになりうるため、リードタイムと契約条件にこれを反映すべきです。

2025年11月の猶予でスカンジウムも解除されましたか?

いいえ。2025年11月の合意は、2025年10月に追加された措置分のみを1年間、すなわち延長されない限り2026年11月10日まで猶予したものです。スカンジウムを含む2025年4月の公告第18号は猶予対象ではなく、2026年6月現在もそのまま有効です。

自社が使う品目が管理対象か、どう確認しますか?

品目のHSコードと化学的仕様を基準に、最新のMOFCOM公告と照合するのが出発点です。完成品とその原料の管理該当を各々確認する必要があり、判断が難しい場合は通関・輸出管理の専門家の検討を受けるのが安全です。

管理リストは今後も変わりますか?

その可能性が高いです。2023年以降、新規品目の追加と部分的な猶予が繰り返されてきたため、調達契約を設計する際は契約時点の最新状況を再確認し、輸出許可が期限内に発給されない場合の期限起点の解除権のような防御装置を含めることが望ましいです。

参考資料(公開情報)

  • 中国商務部(MOFCOM)公告第18号(2025.4)
  • Holland & Knight、中国輸出管理に関する法律分析(2025.4)
  • Pillsbury、米中合意および猶予に関する分析(2025.11)
  • lanthanides.io、酸化スカンジウム価格動向

この一覧は一度で確定するものではなく、公告ごとに再確認が必要なため、調達は免除を期待する形ではなく許可手続きを前提に設計する必要があります。Nami Tech Solutions(NTS)はメーカーへ直接、相手の言語で、同じ書面仕様を示して当たり、関税分類と原産地書類、インコタームズと決済構造は十六年やってきた貿易実務に沿って契約で固めます。

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