酸化物 ↔ 元素の換算
サプライヤーの成績書は酸化物で報告します。発注側の仕様書は元素で書きます。どちらの向きにも換算し、結果を限度値と照合し、係数がどの原子量から導かれたかを確認できます。
成績書に記載されたとおりの値です。質量比なので単位はそのまま保たれます。
元素基準で読みます。発注側の仕様書はこの基準で書かれます。空欄にすると判定なしで換算だけを行います。
- Fe₂O₃ 報告値
- 0.07%
- Fe 換算値
- 0.049%
値 × 0.6994。係数は酸化物の化学式量に占める元素の質量割合であり、保存された値ではなく下で導いています。
限度値との照合
適合
Fe 0.049%、限度値 0.05%。
Fe基準のつもりで限度値をFe₂O₃基準で書くと、約30%の過剰仕様になります。 Fe₂O₃基準の0.05%という限度値は、Fe基準では0.035%を要求することと同じです。それだけ清浄な材料が必要になり、要求していない余裕分に対価を払うことになります。同じ食い違いを逆向きに読めば、規格に適合したロットが不合格に見えます。返品する前に、成績書がどちらの基準で書かれているか確認してください。
そのまま貼り付けられる仕様行
要求を元素基準で書き、酸化物換算値を並べて記載しています。サプライヤーは何も換算せずCOAと照合でき、この食い違いが再発しません。
Fe ≤ 0.05% (elemental basis — equivalent to Fe₂O₃ ≤ 0.0715%, factor 0.6994)計算例
Fe₂O₃ 0.07%と報告されたCOAは「Fe ≤ 0.05%」の仕様を満たします。Fe換算では0.049%だからです。逆に、Fe ≤ 0.05%のつもりで「Fe₂O₃ ≤ 0.05%」と書くと、同じ仕様がFe 0.035%まで締まります。どちらの向きも読み込めます:
係数の導き方
各係数は酸化物の化学式量に占める元素の質量割合であり、このページが描画されるたびに標準原子量から計算します。小数として保存していないため、由来する原子量とずれることがありません。
係数 = (n × M_element) / (n × M_element + m × M_oxygen)| 換算 | 元素の質量 (u) | 酸素の質量 (u) | 化学式量 (u) | 係数 |
|---|---|---|---|---|
| Fe₂O₃ → Fe | 2 × 55.845 = 111.690 | 3 × 15.999 = 47.997 | 159.687 | 0.6994 |
| Sc₂O₃ → Sc | 2 × 44.955908 = 89.912 | 3 × 15.999 = 47.997 | 137.909 | 0.6520 |
| Y₂O₃ → Y | 2 × 88.90584 = 177.812 | 3 × 15.999 = 47.997 | 225.809 | 0.7874 |
| TiO₂ → Ti | 1 × 47.867 = 47.867 | 2 × 15.999 = 31.998 | 79.865 | 0.5993 |
| SiO₂ → Si | 1 × 28.085 = 28.085 | 2 × 15.999 = 31.998 | 60.083 | 0.4674 |
IUPAC/CIAAWが公表した標準原子量(2021年表)です。各原子量に付された不確かさは、いかなる成績書の記載精度よりも桁違いに小さいです。